木乃先生がガチャリと、内鍵を閉めた事にあたしは気づかなかった。

「それで、お礼ってーー、うんんっ!?」

気づいたときには、もう遅くて。

あたしは、唇をうばわれていた。




「き、木乃せんせっ………!?」

「今は睦月と呼べ」

「む、むつき……、」




木乃先生ーー、じゃなくて睦月のキスは強引なものだったけど……。

不思議と嫌ではなかった。

あたしは睦月の背中に、手を回してしまう。

相手は先生で、キスするなんてイケナイのに。