「……次からは気をつけなさい」

華宮沙夜(はなみやさよ)先生は、ロングの黒髪を手で払うと。

ヒールの音を響かせながら、去って行ってしまった。




「春亜! 大丈夫!?」

たたたっと駆け寄る桂弥に対して、あたしは。

「平気だよ!」

と、なるべく元気に返事をした。




華宮先生は、美人だけど性格がキツイ。

だから、生徒からも不人気。

ちなみに、木乃先生と同じく養護教諭の先生でもある。

「あ!」

「どうしたの、桂弥?」