むかしむかし、とある王国に『聖女』と呼ばれるお姫様がいました。
 お姫様には生まれながらに特別な使命がありました。
 王国の繁栄と安寧のため、18度目の誕生祭の日にその命を神に捧げなければなりません。
 そんなお姫様には秘かに想いを寄せる相手がいました。
 それは王国を守る騎士であり、いつもお姫様の傍に控える従者でした。
 しかし運命には逆らえません。
 可哀想に、お姫様はその想いを胸に秘めたまま18歳という若さでその生涯を閉じました……。


「しかし! なんとそのお姫様はこの現代に生まれ変わったのです!」

 私は自分の胸に手を当て声高に言う。

「それが私、レティシア・クローチェです!」