「…大丈夫?」

ある日の事。

仕事が終わりかけの時に深く、何やら考え込んでいたので。

思わずにーさんに声をかけた。

「あ、うん、大丈夫だよ」

…無理して笑うなよ、にーさん。



ボクが疑いの目でにーさんを見ていると、観念したらしく。

「わかった、話すよ…」



ボクは。

話を聞いて少し後悔をした。



にーさんには学生の時から10年、付き合っていた彼女がいたけれど。

色々あって、年末別れた。

トドメはにーさんのカードで勝手に借金までされて。

人が信じられなくなった、って。



優しいにーさんだからこそ。

そんな目に遭ったのかと思うとボクは元カノが許せない。



泣きそうになっていると

「ぽっくんが泣く事はないんだよ。
でも、ありがとね」

そのありがと、で泣いてしまった。