但し、それは恋仲と言えるほどにまでに、近距離にいないと難しいのかもしれない。

 私は思わず彼以外の三人の美男子の存在を予感して舞い上がった気持ちを誤魔化すように、コホンとわざとらしく咳払いをした。

「あの……ごめんなさい。私のせいで、少し話が逸れてしまったんですけど」

「いいえ。気にしないでください」

「本当に、私の事を?」

 一番に聞きたかったことを聞けばランスロットは、一度大きく息を吐いた。

「僕の気持ちは、この前にお話しした通りです。ディアーヌ嬢が色々と思うところがあるというのは、理解出来ます。ですがどうか、お願いします。本気であることはこれからの僕を見て、見極めてください」

 彼の目は真剣だったし、時間をかけて隅々までまじまじと観察しても疑うべきところは何も見当たらなかった。

 だからと言って、世の中には私だけは大丈夫騙されないと思い込んで、あっさりと騙される人は沢山いる。でも、悪い可能性があるものを全て選択肢から外してしまえば、その手には何も残らないだろう。生きていくためには、立ち止まっている訳にはいかない。

 時間を掛けて自分の真意を見極めて欲しいと彼に言われれば、もう私はそれ以上、何も言えない。確かに、出来る従姉妹のラウィーニアの言う通り、もう別れてしまったんだからクレメントの事は自分の中で終わりにすべきだ。

 ひとつ失恋した後で、また新しい恋を出来るまでの時間はどのくらいなのだろうか。誰か、統計を取って教えて欲しい。

 私が今、知りたいから。