破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜

 グウィネスは、コンスタンス様の淡々とした提案に涙を流して頷いた。確かにあの乱暴そうで言葉も通じそうにないプルウィットと婚約を定められていたとしたら、私だって嫌で逃げてしまうかも。同情の余地はあると思われた。

 騎士たちは、氷に覆われてしまったプルウィットの周囲に集まりこれをどうしようかと相談しているようだ。

 自分がこれ以上ここに居ても仕方がないと判断した私は、先に廊下に出ていたラウィーニアに手招きされて、部屋を出ようとしたところでグウィネスが私を呼び止める声に振り返った。

「お嬢さん、悪かったね。私も、ランスロットに直接こうして会って、振られて目が覚めたよ……もう終わってしまった恋に縋りついていても、悲しいだけだ」

 グウィネスは切なそうにそう言った。私もそれには、彼女と同意見。

「私は、謝らないわ。絶対に。何があっても、ランスロットは譲らないから」

 きっぱりと言い切った私に、グウィネスはころりと表情を明るく変えて笑った。

「……私も……あの時に、そうすれば良かった。そうしたら、今も彼と一緒に居られたかもしれないね……」