破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜

「何年も前に別れたはずの男性を、こんな風な卑怯な手で自分のものにしようだなんて……本当に、許し難いし理解し難いわ。あのランスロットが、そうしたくなるほどに魅力的な男性だというのは認めるけど、これって完全に反則行為でしかないもの。けれど、ランスロットが王宮騎士団に残ろうとすれば……グウィネスを、選ぶしかないわ」

「……きっと、愛された記憶が綺麗なままなのよ。私みたいに、粉々になって壊れたりしていない。だから、その続きを夢見てもおかしくないのかも」

 淡々とした私の言葉を聞いて、ラウィーニアは物凄く嫌な顔になった。

 どう言って彼女の行為を美化しようが、ランスロットに彼が努力して獲得した立場か私かを選ばせる二択を突きつけているという事実は変わらない。

「グウィネスはどんな理由で、ランスロットと別れたの?」

「魔力の強い彼女には、東の地ソゼクの族長の息子という婚約者が居たそうなの。その人が嫌で逃げて来たらしいんだけど……その男性が現れ、殴られて終わったと、ランスロットから直接聞いたわ」