破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜

 ラウィーニアは、良い意味で計算高いし気持ちの割り切りも素早く出来る。でも、心の整理があまり得意ではない私には昨日まで恋人だった人の事をこうして明け透けにもう他人なんだからと言われると、やはり胸が痛んだ。

 とてもとても今更なんだけど、やっぱり私はクレメントと別れたんだと心の奥底からじわじわと実感が湧いてくる。

「……でも、彼に告白されたのは別れて本当にすぐよ。あの場所に居たのも、もしかしたら……」

 クレメントに別れを告げられたあの城の庭園は、確かに花が咲く季節に目も楽しめるし散歩をするには丁度いい。現に、庭園を散策する人たちは沢山居た。けれど、あんなにタイミング良く現れた彼が、どうしても不思議だった。

 まるで、クレメントが私と別れることを、ランスロット・グラディスに事前に言っていたみたいに思えるからだ。