ハクスリー伯爵家の邸は、建国より仕えているご先祖代々使っているものなので、年代物ではあるけど広い。天井の高い玄関ホールで彼は振り返り、恋人とお別れをする慣例通りに、私の手の甲に軽いキスをした。
「それでは」
「はい。忙しいところに来てくれて、ありがとう……ゆっくり話せないのは残念だけど」
「いえ。このまま、帰りたくはないんですけど……すみません」
そして、もう一度頬にキスをして、彼は扉を出て行った。
◇◆◇
馬車でラウィーニアと王城に向かうことになったのは、王太子コンスタンス様が開催するお茶会に招かれたから。
あの時のお詫びをしたいとの事だったけど、彼は婚約者を狙われた被害者で、自身は特に悪いことはしていない。
けれど、組織の責任者って、そう言うものなのかもしれない。
悪くなくても、詫びるなんて良くあることだろう。彼のような、本人が詫びたい場面だったとしても、それが出来ない場合もある王族という難しい立場にあれば尚更そうだろう。
「それでは」
「はい。忙しいところに来てくれて、ありがとう……ゆっくり話せないのは残念だけど」
「いえ。このまま、帰りたくはないんですけど……すみません」
そして、もう一度頬にキスをして、彼は扉を出て行った。
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馬車でラウィーニアと王城に向かうことになったのは、王太子コンスタンス様が開催するお茶会に招かれたから。
あの時のお詫びをしたいとの事だったけど、彼は婚約者を狙われた被害者で、自身は特に悪いことはしていない。
けれど、組織の責任者って、そう言うものなのかもしれない。
悪くなくても、詫びるなんて良くあることだろう。彼のような、本人が詫びたい場面だったとしても、それが出来ない場合もある王族という難しい立場にあれば尚更そうだろう。



