うぅ、眠い……。

 その日の6限。私は教壇に置かれたクジの箱の前でボーっとしていた。

花城(はなしろ)、何やってる」
「席替え後、文化祭の出し物も決めるんだ。早く引きなさい」
 教壇に立つ望月(もちづき)先生に言われ、ハッと目が()える。

 そうだった、文化祭…!

 私はクジの箱に手を突っ込んで最後のクジを引き、席に戻っていく。

「では開封して席移動!」

 私はクジをピラッと開封する。

 あ、廊下側の一番後ろの席だ…。

 ほわほわのお花のオーラが私を優しく包み込む。

 また窓側で嬉しい。

 ガタッ。
 私は椅子から立ち上がると鞄を右肩にかけ、移動する。

 そして新しい席の机に鞄を置くと。

雪乃(ゆきの)、同じ列だね」
 廊下側の一番前の席に立つ美青(みお)ちゃんが声をかけてきた。

「あ、うん」

「隣、(しゅん)とかありえないけど」
 美青(みお)ちゃんは、めちゃくちゃ嫌そうな顔を浮かべながら言う。

「はぁ!?」
 (しゅん)くんが隣で叫び返す。