「萌子っ⁉︎」
電話に出た梨紗の声は慌てていた。
「ごめん、全然連絡できなくて」
「いいって! それより、朝からあんたのことで変な噂が立ってて……」
やっぱり。もう会社中に知れ渡っているんだろう。
「未成年を連れ込んだ……って、圭人君のことよね? あんたまさか認めたの?」
「……だって、事実だし。そのせいでチームの表彰が取り消されるとか、ありえないから」
「事実ったって、連れ込んだわけじゃないでしょ⁉︎ 彼にだって事情があって、置いてあげてただけでしょ⁉︎」
「実際はそうでも、誰も信じないよ」
そう。信じてもらえるわけない。ただの苦しい言い訳にしか聞こえないに決まってる。
「でもっ……! こないだのパワハラの件といい、今回といい、萌子は何も悪くないじゃない!」
「……一応、どっちも私がきっかけを作ったことに変わりないから」
梨紗がそう言って庇ってくれるだけで、私は十分だ。
「ありがと、梨紗。でももういいから。私……会社辞めるわ」
「はあ⁉︎ あんた本気で言ってるの⁉︎」
……怒ってる。当たり前か。
「本気よ。これ以上いろんな人に迷惑かけられない」
「……そんなことしたら、貴之君の思う壺よ」
「え?」
何で貴之が出てくるんだろう? パワハラの件はともかく、圭人とのことは貴之には一切関係ない。
「……ごめん、萌子。あたし、聞いちゃったの」
電話に出た梨紗の声は慌てていた。
「ごめん、全然連絡できなくて」
「いいって! それより、朝からあんたのことで変な噂が立ってて……」
やっぱり。もう会社中に知れ渡っているんだろう。
「未成年を連れ込んだ……って、圭人君のことよね? あんたまさか認めたの?」
「……だって、事実だし。そのせいでチームの表彰が取り消されるとか、ありえないから」
「事実ったって、連れ込んだわけじゃないでしょ⁉︎ 彼にだって事情があって、置いてあげてただけでしょ⁉︎」
「実際はそうでも、誰も信じないよ」
そう。信じてもらえるわけない。ただの苦しい言い訳にしか聞こえないに決まってる。
「でもっ……! こないだのパワハラの件といい、今回といい、萌子は何も悪くないじゃない!」
「……一応、どっちも私がきっかけを作ったことに変わりないから」
梨紗がそう言って庇ってくれるだけで、私は十分だ。
「ありがと、梨紗。でももういいから。私……会社辞めるわ」
「はあ⁉︎ あんた本気で言ってるの⁉︎」
……怒ってる。当たり前か。
「本気よ。これ以上いろんな人に迷惑かけられない」
「……そんなことしたら、貴之君の思う壺よ」
「え?」
何で貴之が出てくるんだろう? パワハラの件はともかく、圭人とのことは貴之には一切関係ない。
「……ごめん、萌子。あたし、聞いちゃったの」