「待って今だ、待って今なのだ。もしまだ待てるってんなら俺はこのみちゃんを家に呼んでないですよ」
「っ、おうちに親がいないなら最初から言ってほしかったよ結多くん…!」
「言えません、むりです。だってもうチャンスでしかねえもん」
ぎしっと、ベッドのスプリングが響かせた音。
それすら甘いものに感じてしまう、ワケがわからない空間。
「もし今日なにもできず終わったら、たぶん10日は寝込む」
「そ、そんなに…?」
「だから言ったの一大事って。…このみちゃん、俺たちだけのブランコしようぜ」
………だからそれ、なに…?
どこで覚えたの、なにで学んだの。
イマドキの少女マンガですら聞いたことないセリフが飛び出してる…。
「初めてハグした場所は誰もいない放課後の図書室にて、」
「えっ…?」
「初めてキスしたのは付き合って2ヶ月記念日、このみちゃんの部屋にて」
「結多くん…、」



