わたしの推しはオオカミ王子さま



恋とか、よくわからない。したことない。



私はりっくんという名の推しを観察対象として追っかけているだけで幸せだったの。

だから好きな人とか、そういうの今まで何も感じてこなかったの。



りっくんを恋愛感情を持って好きかと言われたら絶対違ってそうではないって言い切れるけど、こんなのりっくんが悪いよ。


誰が相手でもドキドキしてしまうし、ましてりっくんが恋愛対象でなくてもずっと追っかけて、見てきてたどストライクでかっこいい王子様みたいな人なんだもん。ずるいよ、りっくん。



「純粋すぎるから、こんなにも簡単に俺の腕の中に収まっちゃうんだね」


「……、」


「ほんとはいますぐキスでもしたいんだけど、」