わたしの推しはオオカミ王子さま




「あ、これの隣の家、です……本当に今日は何から何までありがとう。勉強も、ここまで送ってもくれて」



特別大きいわけでもない、平凡な一軒家。


前について、りっくんと向き合う。

改めて見てもかっこよすぎて逆に笑えてくる。今すぐアイドルになって正規的に推させてほしい。



「どういたしまして。こんな夜道に一人で帰らせらんないよ。……あ、そうだ。よかったら放課後、勉強教えようか?」


「え、いいよいいよ!そんなの、悪いし……」


「俺も教えてたほうが自分の身にもなるっていうか……蓮見さえ良ければ、って感じだけど」



唐突に目の前のイケメンがそんな提案をするから慌てて断ろうとするんだけど、その次の言葉で、考える。