わたしの推しはオオカミ王子さま




「じゃあ、お言葉に甘えて……」


「初めからかわいく甘えとけよ、ほんと可愛くねーな」


「よ、余計なお世話です!大野くんに可愛く思われなくたっていいもん!」


「俺にそんなこと言うの、多分あんたくらい」


「……えっ」


「なに?」



大野くんが折りたたみ傘を開いた。隣にちょこんと入り込む。


一瞬、言葉を失ってしまったのは、大野くんが笑う顔を見てしまったから。この人、こんな風に笑うんだ。


それが新鮮だったし、全然りっくんには敵わないけれど、少しだけ目を奪われてしまって、悔しい。