わたしの推しはオオカミ王子さま




「はぁ?今日は午後から雨降るって天気予報見てねーのかよ」


立ち尽くす私を差し置いて、すでに靴を履き替えたチャラ男が怪訝そうな声を投げてきた。見上げると心底呆れたような視線を寄越していた。


た、確かに??天気予報をしっかり見ていない私が悪いですよ!?ていうか朝なんて睡眠が命。テレビを見る時間も天気予報を見る時間もないんだもん。知るわけないもんね!


自業自得を心の中で唱えて、諦めを宿す。スクバを頭の上に乗っけて走るシミュレーションをしていれば、不機嫌王が何やらもう一度私に投げかけてきた。



「傘半分、入れてやろっか?」