わたしの推しはオオカミ王子さま




「りっくんだ……」



誰にも聞こえないくらい小さい声が、思わずこぼれた。


きらめく夕日と同じくらい、いやそれ以上に輝いているりっくんがこちらに歩いてくる様子をしばらく眺めて堪能しているところで、店に入る直前、彼は私に気付いたらしい。



「あっ」と驚いたような顔をして店に入ったりっくんは、入り口付近のカウンター席に座る私にすぐ声をかけてきた。




「こんなところで会うとは思わなかったー、蓮見もここで勉強?」




隣に立ったキラキラスマイルのりっくん。
まぶしい。最高にまぶしいです、私の推し。



「そう!もうすぐテストだし、やっとかないとやばいから」


「頑張ってんねー、俺も見習おっと」



さっきまで参考書を開いたまま甘いドリンクを飲んでいただけの私に、見習う点なんて一つもないんだけどそこは秘密にしとこう。



「あ、隣いい?」と付け足したりっくんに首がもげそうなくらい頷くと、ちょっとだけ笑ってくれて、そのままここに滞在するための権利である飲み物を買いに行った。