頭の中に、ぼやけた残像が映っている。 一瞬外を見た時に、絶対に見過ごしてはいけない______無視してはいけない人が、いた気がする。 私が間違えるはずない。その立ち姿も最高すぎるんだから。 もう一度、外に目を向ける。 人が多く行き交う中で、一人、こちらに向かって歩いてくる。 明らかにこのカフェに入ろうとしている。ただし、私には気付いていない。 その歩いてくる姿、背筋はピンとして、スタイルも良くて美しい。 存在自体が人間の感謝の具現化。 そんな人は、一人しかいない。