わたしの推しはオオカミ王子さま




「……何かいいことでもあった?」



無意識のうちに、にやけてでもいたのだろうか。

上から降ってきたその声で顔に意識をやると、もう手遅れ、たぶん、思いっきり口元が緩んでいた。


もう遅い、と思いながらも一応口を閉じてきゅっとするけど、目の前に現れた私の好みど真ん中のかっこよすぎるその顔には全てバレてしまっている。ほんと、油断しかしてない、私。



「なんで。ずっと今みたいに幸せそうにしてくれればいいのに」

「恥ずかしいよ、やだ」



そんなアホヅラマヌケヅラ、りっくんには見せられません。
いや、見せてしまっているけど好んで自分からは見せたくありません。

普段からりっくんには奇行しか見せてないと思うけど、やっぱり推しの瞳には可愛く映っていたい。手遅れだとしてもね。過去は変えられなくても、未来は変えられる!……と信じることくらいは許してほしい。