「買ってきたよ」
「おー」

ことん、と私の前に置いた。

「んー、ビー玉出したいけど…」
「そういえば、ラムネ瓶のビー玉好きだったよね」


ぷしゅ

彼女は下を向きながら、ラムネを飲んだ



「もう、夏が終わっちゃうね」
「そうだね、早かった」

「九月に入ってもしばらくは暑いから、夏だ。とか言う人がいるけど、
 私はやっぱり八月三十一日が夏の終わりだと思う。だって、夏休みの最終日だから」

「たしかにー」

「それに……」


哀しそうな顔をして、髪を揺らす
もう、その瞳すら見えなくて、今度は私が視線をずらした

「あーあ、私がまだいたら、同じ高校二年生だったのに」