「あーでも、汗をかくのは嫌だよね」
「それにしても暑いねー」
彼女は、わざとらしく私から視線をそらして、空を見た
「ねぇ、そっちは楽しい?」
「そうだなー思ったよりも楽しくない。あんたがいないからかな」
私は私を見ていない彼女に、ずっと話しかけている
それの繰り返し
「…ラムネ買ってくるね」
「行ってらっしゃい」
四角い石の上に座る
普通ならそんなところに座ったら怒られるはずだけど、私は怒られない
だって誰も私を見ないからね
花は相変わらずきれいだ。だってさっき変えたばっかだもん
彼女は私との約束を守ってくれる
それが、彼女を苦しめているかもしれない