「たぶん、それは夏だった」




私よりも低いところにある彼女の頭

何も写っていないその瞳には、私が写っている


瓶に花を入れている彼女に、私は話しかける


「…ラムネ瓶に入ってるビー玉をなくしたのが、夏だったな」
「……うん」

可愛い目をして私を見て

可愛い笑顔を浮かべた




「…夏は好き?あぁ、好きなんだっけ。私は大嫌い」


夏は嫌いだ
大嫌い