先生には、本当に感謝している。

「俺は何もしてないよ。 花霞が頑張ったからだろ?」

「先生がくれた言葉があったから、私は諦めずに頑張れたんです。……本当に」

 先生は嬉しそうに「そっか」と微笑む。

「……先生」

「ん?」

「ありがとうございました」
 
 先生にちゃんとお礼を言えて、良かった。

「仕事、頑張れよ、花霞」

「……はい。先生も、頑張ってください」

「おう。 じゃあな」

 去っていく先生の姿を見ながら、私はなんとなくドキドキした。
 あの頃の変わらない先生の姿にドキドキして、胸がちょっとだけ疼いた。

「先生……」

 先生のこと、大好きだったんだ。 ずっとね、大好きだったの。
 このことをいつか、伝えられたら……いいな。

「ただいま……」 

 玄関のドアを開けると、リビングへ向かう。

「はあ……お腹空いた」

 とりあえず何かを食べようと、冷蔵庫を開ける。

「うっそ、なんにもない……」

 そういや、買い物、行ってなかった……。

 とりあえず何もないことに気づき、ストックしていたカップラーメンを食べることにした。
 お湯を入れてすぐ、聖からメールが来た。