聖の優しさに、私はいつも助けられてばかりだな。

「あのさ、聖……」

「ん?」

「今度またサンドイッチ……一緒に、食べに行かない?」

「ああ、もちろん」

 聖のその笑顔に、私は何度助けられただろう。
私には、聖が……必要なのかもしれない。

「ありがとう、聖。……優しいんだね、聖は」

「優しいのは、おまえにだけだから」

 そんなこと言われたら、私は……。

「聖はさ、私のどこがいいの……?」

「はっ?」

 え? はっ?って何よ……。

「どこがいいの? 私なんかの……」

 すごく不思議だった、私のどこがいいのか。

「……私なんかって、言うな」

「え?」

「おまえのことが好きな男の前で、私なんかなんて言うな」

 聖はそんな私を、優しく抱き寄せる。 抱き寄せられた瞬間に、聖の香りがする。

「……聖?」

「この際だから、教えてやる。 俺はおまえの全部が、好きなんだ。 すっぴんでも、白衣着ててもだし。泣いてても、笑ってても、怒ってても……おまえの全部が好きなんだよ」

 初めて聞いた聖のその言葉に、私はなぜか心が大きく揺れたのが分かった。

「……ありがとう」

 私と聖は……少しだけ距離が縮まった。