「……そっか」

 同期としてだったら、ふたりでデートなんてしないもんね、きっと……。

「率直に聞く。 おまえ、俺のことどう思ってんの?」

 まっすぐにそう聞かれると、すぐに答えられない。

「……どうって?」

「俺のこと、男として見れるのかってこと」

 男として……? どうなんだろう?分からない。
 今までそんなふうに見たことも、なかったから。

「……見れるか、どうか?」

「そう。俺は男として、真剣に見てほしいんだ」

 真剣に……。その気持ちは充分、伝わってる。

「もし今日のデートが楽しかったら、俺と付き合うこと、真剣に考えてほしい」

 そんな目で見られたら……。

「……うん、分かった」

 そう返事をするしか、なかった。

「じゃあまず、手を繋いでいいか?」

「へっ!?」

 い、いきなりっ!?

「せっかくのデートだし、今日は恋人だと思って過ごしたいから」

「……まあ、そう言うなら」

 なんとなく、断るのは申し訳ない気がして、そのまま聖に手を繋がれる。

「花霞、映画のチケットもう買ってあるから、その辺ちょっと歩かないか?」

「え?」

 チケット、もう買ってあるの? なんて準備がいいの。