「ほら、行くぞ花霞」

 ベッドに寝転がる私に手を差し出す聖。私はその手を取る。
 だけどーーー。

「きゃっ……!?」

「うおっ!?」

 聖がバランスを崩し、私の方へと身体を傾けてくる。
 気付いた時には、聖が私の身体の上に乗ってる状態になっていた。
 しかし聖は私の上に跨りながら、私をじっと見つめている。

「……っ!!」

 お、重いんだけど……!?

「……花霞」
 
 ひぇえっ……!?

 私の頬に触れながら、聖は私の名前を呼ぶ。

「ひ、聖……?」

 そんなに見つめられると……私、困る……。

 その距離はもう、すでにキスが出来そうな距離になっていた。

「……あ、わ、悪い!」

 聖は慌てて私の上から身体を離す。

「……べ、別に、大丈夫だよ」

 ちょっと、焦ったといえば焦ったけど……。

「い、行くか……!」

「う、うん」

 なんとなく気まずい雰囲気のまま、私たちはサンドイッチを食べに外に出た。

「あのさ、聖……」

「な、なんだよ?」

 聖……なんか変? 気のせい、かな?

「デート……のこと、なんだけど」

「お、おう」

「い、行きたい所……決めたん、だけど」