(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい



「琉衣くんと小雪ちゃん
 本当に付き合ってるんだ」


「3日前の、卒業遠足からだって」


「王子様の琉衣くんが
 陰キャなボッチを選ぶとか
 ありえなくない?」


「琉衣くん、罰ゲームさせられて
 イヤイヤ付き合ってるんじゃないの?」


「かわいそう~。
 でもまぁ、どうせすぐ別れるっしょ」


「相手、小雪ちゃんだしね。
 うちらの高校の地縛霊だしね。
 アハハハ~」



はいはい。

陰キャ。ボッチ。地縛霊。

それは私、白石小雪のことで
間違いないです。認めます。



琉衣くんと付き合うまでは

誰とも話さず
自分の席でそっと存在を消し

カースト上位の女子達から発せられる
嫌味な言葉を
グッと我慢し続ける日々だった。



今までの私なら落ち込んでいたよ。

私の悪口が耳に入るたびに。
ズズ―ンって。


でも不思議なんだ。

琉衣くんが「小雪ちゃん、好きだよ」って
たくさん伝えてくれるからかな?

自分への嫌味な言葉なんて
前ほど気にならなくなったの。


傷ついても
琉衣くんが私の心を救ってくれる。

そう思えるんだ。


琉衣くんは私にとって
お守りみたいな存在だよ。