「小雪ちゃんの隣の席
長浜くんだよね?」
「うん、そうだよ」
「机とイスを借りちゃおうっと。
明日の朝
ありがとうって言えばいいね」
ルンルン笑顔の琉衣くんは
私の机に
長浜君の机をくっつけはじめ
「小雪ちゃんは
世界地理を教えて欲しいんだよね?
さぁ、勉強を始めようか」
まるで家庭教師のお兄さんみたいに
優しい笑顔を浮かべた。
うわぁぁぁぁ。
大好きな人と、お勉強デートだぁ。
お揃いの制服を着て
琉衣くんと肩を並べて座るなんて。
恋愛マンガで憧れていた
シチュエーション。
幸せすぎだよ。ほんとにほんと。
でも……
灰かぶりシンデレラが
王子様と結ばれるのを
良く思わない人たちも
たくさんいるわけで……
やっぱりこうなったかぁ。
私の背後から
嫌味な声が聞こえだしちゃった。



