わからない。
琉衣くんの感情が。


でも聞けない。
だって……


飛び切り笑顔の琉衣くんに
『別れよう』って言われたら


涙と鼻水で
ぐちゃぐちゃな醜い顔で

私、泣いちゃいそうな
気がするから。



今は考えるのをやめよう。


勉強! そうだよ!

今は勉強する時間じゃん!


赤点ギリギリの世界地理を
どうにか克服しなきゃ。

また先生に
グチグチ言われちゃう。




私はカバンから
教科書やノート、筆箱を取り出す。


ペンを机の上に置いたとき

「小雪ちゃんお待たせ」

椅子を抱えた琉衣くんが
部屋に入ってきた。


私の隣に椅子を置き
笑顔で座る琉衣くん。


私は固まってしまった。

視線を琉衣くんに
突き刺したまま。



声すら出ない。

驚きが強すぎて。

カッコ良すぎて///