(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい



――泣く妹の肩をさする
  女子高生。


琉衣くんの目に映った私は
すごく優しい人に見えたみたい。



何度も言うけど
目の錯覚だったんだよ。


琉衣くんは私に
恋心なんて抱いてなかった。


『辛そうな妹を助けた恩人。

 優しそう。

 あれ? 好きかも』


琉衣くんの脳内で
間違った連鎖感情が
沸き上がって

『小雪ちゃんが好き』
そう、誤認してしまった。



琉衣くんの中で
私を好きという感情は
どこにも存在していない。

悲しいことにね。