私は、自分の感情を
言葉にするのが怖い。
喜び。悲しみ。怒り。
自分の想いを人に伝えて
相手に嫌な顔をされたら
どうしよう……
そんな不安から
私は教室でも一人ぼっち。
なるべく
人と関わらずに生きてきた。
今、ちゃんと言葉にしたよ。
琉衣くんのことが大好きだって。
自分でも頑張ったって思う。
コミュ障の私にしては、よくやった。
パチパチパチ~~
でも……
琉衣くんは
私の期待通りの反応を
してくれなかったんだ。
シーン。
静まり返る、玄関ホール。
青ざめた顔の琉衣くん。
絶望したような目を
オロオロ泳がせたかとおもうと
「ごご、ごめん。
なんか…………無理!!」
いきなり琉衣くんは走りだし
階段横にあるドアを開け
「ほんと、ごめん!!」
逃げ込むように
部屋に入ってしまった。
……えっ?
私、玄関に
取り残されちゃったんですけど……



