ニンマリ笑顔の琉衣くんが
私に近づいてきた。
笑顔すぎる笑顔の裏に
怖い感情が潜んでる気がして
一歩また一歩と、私は後ずさり。
あっ。
もう後ろに下がれない。
私の背中、壁に差し込まれた
ステンドグラスにぶつかっちゃった。
私の前に立つ琉衣くん。
逃げ道を塞がれた気がして
私の背中がゾクゾクっ。
琉衣くんは
私の方に手を伸ばしてきた。
肩まで伸びる私の髪を指で挟み
スリスリスリ~
指でこすり合わせるように
私の髪をもてあそんでいる。
逃げたいけど、逃げられない。
だって……
悪っぽく揺らぐ琉衣くんの瞳に
私の瞳が、捕まっちゃったから。



