安心に包まれながら
勉強熱がグイグイ
上がってきたところだったのに
「僕の彼女、本当に可愛い」
私の頭に
琉衣くんの手の平が乗っかって
「ねぇ、知ってる?」
「?」
「小雪ちゃんに
上目づかいでお願いされたら
なんでも言うことを
聞いてあげたくなっちゃうんだよ」
いきなり私の視界が暗くなったから
ひゃぁ?
……あぁぁあぁぁあ!!
体中に伝わるぬくもりのせいで
私の脳が
大パニックを起こしちゃった。
こ…こ…これって……
だだだ…抱きしめられてるよ。
なんの前触れもなく
いきなりムギュって。
お互い椅子に座ったまま
私の頭に、琉衣くんの腕が
巻き付いている状態だし。



