「お願い、琉衣くん。
言いに行かないで」
「えっ? でもこのままじゃ
これからも酷いことを
言われちゃうかもしれないよ」
「私、気にならないから」
「そんなはずないでしょ?
誰だって自分の悪口言われたら
つらいでしょ?」
琉衣くんと付き合う前の私は
メンタルがものすごく弱かったよ。
いつ言われるかわからない
自分の悪口や陰口。
それにおびえながら
教室の隅でビクビクしてた。
存在をなるべく消しながら。
教室の地縛霊になりきって。
でも今は違うの。
「琉衣くんのおかげなの」
琉衣くんが
彼氏になってくれたから
「私ね、酷いことを言われても
そこまで気にならなくなったんだ」
だって琉衣くんに
辛い思いを吐き出せば
そのままの小雪ちゃんでいいよって
励ましてくれるでしょ?



