半日以上かけて検査が終わった。


いつもならヘトヘトになっていただろうけど、今日は違う。


自分でも驚くくらい、遥輝に会えることが力の源になっているんだ。


“俺がお前の青春、作ってやる”


遥輝の真っ直ぐで情熱的な言葉が脳裏に何度も繰り返し流れる。


私の青春。


病気を忘れて、やりたいことなら数え切れないほどある。


本当に叶えてくれるんだろうか。


出逢って間もない私なんかのために。


「おぉー、遥輝。来てくれたんだ」


葵の明るい声が聞こえてきたから入口を見ると、遥輝が紙袋を片手に入ってくるところだった。


「お前の見舞いじゃねぇ。さっさと治せ」


「冷たすぎでしょ。これでも病人なんだけど」


「知るか」