ひと夏のキセキ

遥輝が出ていった入れ違いに、葵、真生、陸、海が入ってきた。


「絢ー!!久しぶり!!!」


「久しぶり…」


ずっと面会を拒否していた手前、少し気まずいんだけど、葵はそんなの気にしていない素振りで抱きついてくる。


「もー、なんであたしたちのことブロックすんのよ〜。超ショックだったんだからね!」


「それな!嫌われたかと思った」


「ごめんなさい…。もう遥輝と会いたくなくて、皆のこともブロックしちゃって…」


酷いことしちゃったのに、こうして会いに来てくれるなんて、本当に素敵な人たちだね…。


「遥輝とはもう仲直りした?」


「うん。いろいろ迷惑かけてごめんなさい」


「全然迷惑なんかじゃないって。なぁ葵」


「うん。むしろ、滅多に見れない遥輝を見れておもしろかった」


「女の子1人のために悩んでる遥輝なんてマジでレアだかんな」


「今年の夏だけでアイツの印象だいぶ変わったわ」


「人間味を感じた」 


「今までサイボーグみたいだったもんな」


「わかるわー。人間の血通ってないと思ってた」


「めっちゃ分かる」


「アイツを人間にしたのは絢ちゃんだよな」