ひと夏のキセキ

…少し会わないうちに変わったね。


前まであんなに不安そうだったのに、今じゃこんなに堂々としていて。


「絢ともう二度と会えないかもしれないと思うと、そりゃ怖いよ。けど、俺決めたから。過去でも未来でもなく、今と向き合うって。今、後悔しない道を選びたいから」


私に気を遣ってそう言っているんじゃなく、本心から言っているんだということがよくわかった。


「だから、俺は今すぐにヨリを戻したい。俺ともう一度付き合ってほしい」


いいのかな。


いいんだよね…?


遥輝がそう言っているなら、甘えていいんだよね…?


「こんな私で良ければ…お願いします」


ぺこりと頭を下げる。


「よかったー。もう絶対どこにも行くなよ。絢は一生俺だけのもんだから」


嬉しそうに笑う遥輝を見ると、どんよりしていた心が急速に晴れていく。