ひと夏のキセキ

ちゃんと言わなきゃ。


リスクのある旅だって、ちゃんと説明しなきゃ。


「アメリカに行くことで容態が急変するかもしれないし、生きて帰ってこれないかもしれないんだよ…」


それを知っても、遥輝は私を愛してくれる…?


つらくならない…?


「そんなの関係ない」


「でも、わかってる?私、本当にもうすぐ死ぬかもしれないんだよ?」


「それが何だってんだよ」


「…今日が二人で会う最後の日になるかもしれないんだよ…?」


言いたくないけど、それが現実だよ。
 

今日で永遠の別れかもしれない。


「だったらなおさら恋人でいたい。だって俺たち、お互いにお互いのことが好きなんだぜ。それでなんで付き合わないって選択肢があんの?」


「…でも…」


「俺なら大丈夫だから」


力強く言い切る遥輝。