ひと夏のキセキ

「絢が後悔しない道を選んでほしい」


「……そんなのわかんないよ」


どの道を選んでも後悔する気がするんだ。


遥輝を拒絶したこと、今でも後悔している。


でも、付き合い続けたとしても、罪悪感に苛まれ後悔していた気がする。


「病気が治ったら何したい?」


「……遥輝ともう一度付き合いたい」


今の私じゃ遥輝を苦しめるだけだけど、生まれ変わった私なら…。


…なんて、おこがましいかな…。


「きっと、遥輝くんもそう思ってるよ」


「なんでお母さんがそんなこと言えるの」


お母さんは遥輝のこと何も知らないじゃん。


遥輝がどう思ってるかなんてお母さんには分からない。


もちろん、私にも。