「問題はどうやって絢と会うかだよなーー」


自由奔放に話を進める葵。


俺は一言も会うとは言ってないのに。


「…早く会いに行かないと、絢がいなくなっちゃうかもしんないね」


夏が終わる頃に私は死ぬ。


そんなことを言っていた気がする。


今はもう8月下旬。


タイムリミットはもうすぐ目の前まで迫ってきているのかもしれない。


「今から会いに行ってくる」


「だから、面会謝絶だって。どうやって会うつもり?」


「主治医に頼み込めばいいだろ」


「主治医ってあんたの父親?」


「そ」


アイツに頼み込むこと以外方法は思いつかない。


アイツに頭を下げるのは嫌だけど、そんなことを言っている場合じゃない。