ひと夏のキセキ

「…ちょっとだけ、話すの待ってくれる?」


「うん。分かった」


きっと、茜さんやお母さんとの思い出を刻みたいんだと思う。


邪魔しちゃいけない。


車椅子で自走して遥輝の視界から外れるよう、1番後ろまで移動する。


しばらく待っていると、2度目の上映が始まった。


…今度は本物の星空が見たいな…。


もう叶わないかもしれないけど…。


それからどれだけ時間が経っただろう。


2度目の上映が終わった。


一度目のプラネタリウム、二度目のプラネタリウム。


それぞれどんな思いで見上げてたのかな…。


「……ごめん。おまたせ」


遥輝が立ち上がって私のところまで近づいてきてくれた。


その表情はどこか物憂げで、それでいてスッキリした表情のようにも見えた。