ひと夏のキセキ

“一生後悔する”


それはきっと、奥さんと娘さんのことを指している。


“まだ間に合ううちに”


私が生きているうちに。


「……お前は、後悔してんの?」


「してるよ。もっとちゃんと話していれば。顔を合わせていれば。俺が父親として、夫として、家庭に向き合っていれば、今でも家族4人で暮らせてたんじゃないかって」


「……そ」


素っ気ない返事だったけど、少しだけ口角が緩んでいるのは見逃さなかった。


「…じゃあ僕は外で待ってるから。2人でゆっくり―」


「は?プラネタリウム見に行こうって誘ったのはてめぇだろ。最後まで見ろよ。ほら、座れ」


「ふふっ」


素直じゃない遥輝に思わず笑いが漏れてしまった。


「何笑ってんだよ。上演中は静かにしろ」


「1番うるさかったのは遥輝だよ…」


「うるせぇ。いいから3人で見るんだよ」


ほんと、素直じゃないなぁ…。


でもそれが遥輝らしくて良い。