ひと夏のキセキ


穏やかな音楽と柔らかな音声が流れ続けるプラネタリウム。


その空気は呼吸ができないほど重苦しかった。


「……遥輝…」


呼び掛けても反応はない。


ただ真上を見上げているだけ。


こっちは見てくれない。


手を握りたい。


遥輝に触れたい。


でも、もうそれは許されない。


天の川に引き裂かれた織姫と彦星のように、私たちはもう交われない。


「…絢のこと、助けてくれよ…」


遥輝……。


ごめんね。


ごめんね遥輝。


私が遥輝を好きになってしまったばっかりに。


私が自分勝手に遥輝と恋人関係になってしまったばっかりに。


苦しめてごめん。


「……なんとか言えよ…」


「…ごめんな遥輝」


先生だって苦しいよね…。