ひと夏のキセキ

「じゃあお前は何のためにいんの?てめぇの仕事は、病気を治すことじゃねぇのかよ!」


「ちょっと遥輝―」


やめてよ。


神田先生を責めたってどうにもならない。


「お前医者だろ!?家族を見捨ててでも選んだ仕事だろ!?だったら…っ!だったらせめて、俺の大切なものの1つぐらい守ってくれよ!!」


「…っ!」


「なんなんだよ…っ。お前はいつも俺から大切なものを奪っていく。母さん、茜、絢。こいつらが何したってんだよ!!悪いのは全部お前だろ!?」


やめて。


そんなこと言わないで。


遥輝が無闇に言葉の刃を振り回している姿なんて見たくない。


でも、こうさせてしまったのは私。


私が病気だから悪いんだ。


だから遥輝が傷ついてしまうんだ。