ひと夏のキセキ

「お前とは一緒に見たくないけど、絢となら見てもいい」


遥輝……。


なんで…?


なんでそんなこと言うの…?


遥輝はもう…私と関わらない方がいいのに。
 

遥輝もそう思ってるんじゃないの…?


「なんでそんな顔すんの」


遥輝の手が頭に触れた。


私が大好きだった仕草。


遥輝のぬくもりを感じるだけで、今までの思い出が鮮明に蘇る。


初めて会った日、初めて頭を撫でてくれた日、手を繋いだ日、キスをした日。


やりたいことリストを書いた日。


初めて遥輝の過去に触れた日。


お祭りに行った日、花火を見た日。


そして…初めて遥輝の涙を見た日。


出会わなければよかったと後悔した日。


「……私は遥輝に相応しくないよ」


だからもう会わない。


これ以上傷つけてしまう前に、サヨナラするんだ。


今日が最後の日。