「この怪我は遥輝が悪いんじゃなくて、葵が悪いから心配しなくていーよ」


心を読んだかのように真生がフォローしてくれたけど…遥輝が葵たちを怪我させたことに変わりはないんだよね…?


なんで…。


私のせい…?


私が遥輝を不安定にさせちゃったから。


私が遥輝のトラウマを掻き立てる存在だから。


だからなの?


「絢のせいじゃない。アイツが悪いんだよ」


葵は吐き捨てるように言い、椅子に腰を下ろした。


真生はそんな葵の頭を叩き、隣に腕組みして立つ。


「あのなぁ。お前がいつまでもそんな態度取り続けるから遥輝が怒ったんだろうが。巻き込まれたこっちの身にもなれよ」


「はっ?どう考えても遥輝が悪いだろ」


「寄り添うって言葉知らねぇのか。なんか事情があったかもしんねぇじゃん」


「あったとしても許されることじゃない」


「それを決めるのは葵じゃないだろ?」


険しい顔の葵と、諭すような真生の顔を交互に見る。


ふたりが何の話をしているのか全く分からない。