ひと夏のキセキ

それはきっと過去のトラウマから来るもの。


私にはどうしてあげることもできない。


「祭りの日、もしかしたら体調悪いのに無理してんのかもしんねぇなって思った。だけど、あまりも楽しそうで、見たことないくらいキラキラした顔を見せられたら、無理やり止めて病院に連れて帰ることができなかった。俺がお前の気持ちを尊重してしまったから倒れた」


優しさのつもりが一転して…。


…だから余計に、私の価値観を尊重しようとしてくれないんだ。


私の自己中な振る舞いのせいで…。


「ごめんなさい…」


たくさん迷惑かけて、傷つけて、そのうえ自分の価値観を押しつけるなんて、わがままだよね…。


わかってるよ…?


このまま大人しくしてたほうが誰のことも傷つけないし丸く収まるって。


でも…。


最期くらいワガママ言っちゃダメかな…?


今までずっと我慢してきた。


やりたいことを全部諦めて17年間生きてきた。


最期の最期くらい、好きに生きさせてよ…。