ひと夏のキセキ

突き出されたペンダントは、ユラユラと宙を泳いでいる。


眩い日の光を反射して時折キラリと輝いている。


受け取ってもらえないペンダントは小さく揺れ続ける。


「……なんとか言ってよ…」


一度ペンダントを握りしめ、拳を布団に乗せる。


「…遥輝はズルいよ。こんなペンダント置いていって、自分では何も言わない。私は遥輝と違ってエスパーじゃないよ」


遥輝は私の気持ちを何でも言い当てるエスパーだ。


嬉しいこと、悲しいこと、悩んでること、なんでも分かってくれた。


でも私は違う。


遥輝のこと、何も分からない。


だから話してほしいのに。


いつもいつも遥輝は自分の内面を語りたがらない。


「……ごめん」


第一声は、何に対する謝罪なのかもわからないような簡素な言葉だった。