ひと夏のキセキ

「今日の絢、いつも以上に可愛い。メイクもヘアセットも似合ってんじゃん」


「気づいてくれたの!?やったー!」


気づいてくれるかずっとドキドキしてた。


男の人はそういうのに鈍感だって聞くから、もしかしたら気づかれないかもなんて思ってたけど、やっぱり遥輝は素敵な人だ。


「こんだけ可愛いのに気づかない奴はいねーよ。マジで可愛い。他の男に見せたくないから車乗って」


「う、うん」


そんなストレートに褒められると緊張しちゃう…。


顔赤くないかな…?


すごく火照ってきた気がする。


「もうすぐ葵たちも着くらしい」


「そ、そうなんだ…」


狭い後部座席に隣り合って座る。


心臓の音、聞こえちゃわないかな。


「なに、緊張してんの?」