ひと夏のキセキ

「その反抗的な返事気に食わねぇなー」


ニヤっと笑う遥輝を見て嫌な予感がしたけど、逃げるには遅すぎた。


また濃密なキスで絡め取られ、全身の力が抜けていく。


「あーあ。ここが病院じゃなかったらな」


「どっ、どういう意味?」


「絢の唇以外も、全部奪いたいってこと」


っ!!


今日の遥輝は甘いモードすぎる…。


これじゃ私の心臓が持たない。


「も、もう今日はこれで終わりっ。これ以上は何もしないもん」


「だから、そーゆーの決めんのは俺だって言ってんだろ?」


いつにもましてスキンシップが激しい。


もしかして何かあったのかな…?


「遥輝、今日学校で何かあった?」


「何かって、そりゃテストがあったけど?」


「ううん、そうじゃなくて…」